カツロン/ビジネスEXPO2007/坂の上の雲ミュージアム/金属ガラス

これ、なぁ~に? 万華鏡の模様ではありません。
これは樹脂で作った異形押出成形品で、さまざまな形をした製品を集め、その断面を写真にとったものです。 “異形押出品”と言われてもピンと来ない人も多いように思われますが、電話ボックスの扉のふち、電車やバスのドアのふち、階段のすべり止めなどあらゆるところに使われています。

溶かした樹脂をさまざまな形をした金型に通して製品にしていきます。
大阪府東大阪市のあるカツロンでは異形押出品の有力メーカーで、多品種少量生産を武器に事業展開する元気企業です。

「大阪ビジネスEXPO2007」が5月16、17日の両日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されました。
主催者は大阪府東大阪市、八尾市、堺市と地域の商工会議所(東大阪、八尾、大東、松原、守口門真、北大阪、堺)で、出展社数は181社・団体(240小間)。
2日間の来場者数は約1万人で、自慢の技術や製品を首都圏の来場者にアピールしました。
また16日の夕刻には、展示会場内で東京都大田区と墨田区の中小経営者との交流会も行われました。

3月末まで東大阪支局で記者活動をしていた香西さん(現・松山支局長)から、ホットな話題が届きました。
「坂の上の雲ミュージアム」がそれで、2007年4月28日に松山市内にオープンしました。

司馬遼太郎氏の小説「坂の上の雲」に出てくる松山出身の正岡子規と秋山好古、真之兄弟の人生にスポットをあて、日本の近代国家形成となった“明治”という時代の風俗や風景の一端を、当時の看板や錦絵などで紹介しているそうです。
建築設計は、司馬遼太郎記念館(大阪府東大阪市)も手がけた安藤忠雄氏。
開館式には上村洋行司馬遼太郎記念館長も来られたそうで、今後は姉妹ミュージアムとしての交流が深まりそうです。

中小企業支援施設「クリエイション・コア東大阪(クリコア)」(大阪府東大阪市)に拠点を設けた東北大学金属材料研究所が、このほどクリコアで「金属ガラス」に関するフォーラムを開き、230人を集めました。
金属ガラスの特徴は、
①ガラスのように加工できる
②普通の金属比べ、強くてしなやかなどで新素材として注目されています。
金属ガラスは直径の異なる3種類以上の原子がランダムに並んでいるのが特徴で、原子が規則的に並んでいる一般的な金属と構造が大きく異なります。
また従来のアモルファス金属は加熱すると結晶質になりますが、金属ガラスは結晶質になりません。
また原子の組み合わせを変えることで強度、弾性、耐食性などで様々な特性や機能を付加できるというわけです。
金属ガラスの研究者で、東北大学の井上明久総長によれば、「組み合わせだけでも500種類以上のパターン持っている」とのことです。
同大学ではジルコニウム系や同系など、代表的な10種類の金属ガラスを用意。
産学連携で付加価値の高い製品の開発を狙っています。

(↑写真説明)
高強度金属ガラス製マイクロギヤを減速機に組み込んだ「マイクロギヤードモータ」と呼ばれる製品で、直径は1.5ミリメートル。
小型・高トルクのため、内視鏡やカテーテルなどの駆動源への応用が期待されています。
なお、本製品はNEDOの「金属ガラスの成形加工技術」プロジェクトの成果で、YKKと並木精密宝石が共同で開発しました。
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